ぜんそく征服ジャーナル

156号

文明時代の子育ての常識        久徳重盛              



私がアレルギーの研究と治療を始めたのは昭和35年(1960)のことでした。ちょうど日本でアレルギーの研究が始まった頃で群馬大学、千葉大学、九段坂病院、国立小児病院、同愛記念病院、国立相模原病院、それに中部地方では私(当時、名大)の小児科医約17〜18名(内科は2〜30名)くらいで研究が始まりました。

私以外の専門医はアレルギー以外のことは考えずにその後30年以上研究と治療を続けました。

私はアレルギーだけでなく、ぜんそくに関するあらゆることを考えることにしました。

その頃、ぜんそくは猿には現れない病気だということを京都大学霊長類研究所の教授に教えてもらいました。ぜんそくは人間の先祖に近いチンパンジーにも、ゴリラにも全くないというのです。

チンパンジーから人間に進化して人間だけ「ぜんそくになれる猿」になったことが分かりました。

猿の時代から数千万年かかって、脳が3倍以上も大きくなり、脳の仕組が、心身症やぜんそくになりやすい仕組みになったのです。心のストレスが原因でぜんそくが起きる人がいることも分かりました。

脳は自立神経やホルモンの中枢がありますからこの機能が乱れると、春や秋、ね入りばな、低気圧など体のバランスを乱すきっかけでぜんそくが起きる人も多いことが分かりました。

ぜんそくは「心」「体」「アレルギー」の三つの原因、それに時には感染もからみあっておこる病気だということが分り、現在久徳クリニックで行っている「気管支ぜんそくの総合医学説」をつくったのが昭和38年(1963)のことでした。

同年この研究で東海学術奨励賞をもらい、翌39年、NHK報道特集「科学時代」で「ぜんそく征服」を放映することになり、以後、ぜんそく征服を目標に研究と治療をつずけ、35年たったことになります。

この間、小児のぜんそくはどんどんふえ、「ぜんそくになるような心と体の仕組み」をつくるような「親のしつけ」も分り、しかも、文明国になると、ぜんそくになりやすい誤ったしつけをする親がふえることも判明しました。

いろいろ研究を重ねた結果、文明国になるとなぜ「親の育児」が下手になるのか、どんな育て方をすると、アトピー性皮膚炎、自家中毒症、心身症、無気力、登校拒否、拒食症、出社拒否、人の目が気になる子になるのかも分ってきました。

文明国になると、「文明国型の育児の駄目な親」になぜなるのか、その結果「文明国型の人間形成崩壊の子ども、青年、大人」がなぜふえるのかその原因も分ってきました。

その結果、ぜんそく、アトピー、自家中毒症など体質性の病気も、心身症、登校拒否、働けない大人、拒食症など、日本が文明国になって新しく現れてきた病気や異常までふくめて、

1. その仕組みに沿って
2. 総合的な原因分析ができ、
3. その結果にもとずいて、総合的な全治を目標にした根本療法の方針をたて、
4. すべての原因を取り去る総合根本療法を行ない、
5. 症状の消えたあと、一生再発しないようにアフターケアを行なう ことができるようになりました。










いまクリニックでお教えしている「ぜんそく征服の五原則」が完成したのは昭和55年(1980)よりあとのことです。

いま日本は世界でも子育ての下手な国になってしまっています。その日本で賢い子育てのできる「文明時代の賢い親」が余りにも少ないので、相当数の親が育児の失敗をし、その傾向がどんどんエスカレート、中学生の殺人、高校生の売春、覚醒剤、働けない大人、神経症など恐ろしい勢でふえ続けているのです。

今のわが国では、「文明時代の賢い親」にならない限り、ほとんどすべての親が多かれ少なかれ子を健全な大人に育てることに失敗してしまいます。

みなさんは文明時代の賢い子育ての常識を持っておいでになるでしょうか。

人間の子は0〜1歳、1〜3歳、3〜6歳で「人間の基礎」をつくります。

0〜3歳までに親が成熟した親になり、子どもが心身ともにたくましい心と体をつくれば、子育ては50パーセント成功したことになります。昔の「三つ子の魂、百まで」ということばが全く正しかったことが人間形成医学で実証されたのです。

もし0〜6歳で「人間の基礎」を充実した育て方をして入学させれば、一生にわたって成熟した親を続けやすくなり、育児の70パーセントは成功したことになります。

6〜10〜15歳

6〜15歳は「大人の基礎」をつくる年齢です。

6〜10歳は大人になるトレーニングを始める年齢ですから子どもが小学校に入ったら、少しずつ「大人扱いをして、大人になる自覚を持つように育てていかなければなりません。

参考書「人間形成障害病」久徳重盛著(健友館)


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