ぜんそく征服ジャーナル

164号

日本で特別なクリニックを維持して20年 



■久徳クリニックの特殊性
久徳クリニックがまだいまの日本にはない特殊な診察をしているクリニックであることは御存知の方も多いことと思います。

その大きな特徴はいまの日本の「身体医学」を中心とした医学では「治らない」「治せない」とされているいろいろな病気や異常を「人間形成医学」という新しい医学を中心にして、古くからある「身体医学」、比較的新しい「心身医学」もとり入れて「総合根本療法」をしている点にあります。(図参照)

この人間形成医学は、現院長久徳が名大医学部在任中の昭和35年から、気管支喘息の総合根本療法を開拓するために開発した医学で、まだ日本の医者の中でこの内容を知っている人はほとんどいない状態です。

久徳院長はその後、愛知医大教授になりましたがこの医学を用いた治療と研究を充実するため、昭和54年、現在の久徳クリニックを開院しました。それから今年までちょうど20年、研究をはじめてから通算すると39年になります。

■日本に拡がらない医学
久徳クリニックを開院したとき、久徳クリニックの行なっている、喘息、アトピー性皮膚炎、不登校、就労不能、神経症、それに心身症などの総合根本療法は、それまでの日本では「治せない」とされていたいろいろな病気や異常を根治させるだけでなく、さらにアフターケア(再発予防のためのケア)まで行なって一生再発させないようにする大げさにいえば革命的といってよいほどすぐれた治療方法だったので、おそらく10年ないし20年のあいだには日本全国にひろがり、少なくとも日本のそれぞれの都道府県に1つくらいは診療機関ができるであろうと考えていました。

そして実際、患者さんからも「久徳クリニックと同じ治療をしている病院はありませんか」と聞かれることもしばしばでした。

実地臨床の上でも、岩手医大、鹿児島大学、新潟大学などから総合根本療法の話を頼まれて講演に行きましたし、沖縄の病院、九大心療内科などからも見学にみえる専門医がありました。中には久徳クリニックの診療をすっかり覚えて診療をするからと、医者と心理学者、それに看護婦が来院し、2日にわたって話をテープに録音し、必要なところはビデオで撮影して帰るとか、香川県のある先生は2〜3人の患者さんとその家族をつれて来院し、治療方針を覚えて帰られるということもありました。日本の各地の病院で久徳先生とおなじ治療をしているという先生も現れました。

それにもかかわらず、この医学は日本に拡がることも定着することもありませんでした。おそらくこの医学が日本に拡がるのはまだ20〜30年はかかることでしょう。

■なぜ日本に拡がらないのか
臓器移植だとか遺伝子治療などはすぐ日本に拡がるのに、なぜこの人間形成医学に基づいた治療が日本に拡がらないのか異様に思われる方々も多いことでしょう。

専門医の立場からみると、その原因は意外に簡単です。

第1の原因・・・いま日本の医学は図にあるように「身体医学」が主流で、それ以外の医学を知っている医者は1%もいません。

第2の原因・・・医学部の医学教育も、病院の診療とか入院のシステムも、健康保険制度、あるいは医師国家試験も、すべて体の病気を治す身体医学を中心にした「医療行政」が行なわれているので、人間形成医学を拡めることは極めてむずかしいのです。

例えば心身医学はわが国では比較的新しい医学で、昭和20年に研究がはじめられましたが、それから51年たった平成8年にはじめて厚生省が「心療内科」を標榜科目として医院の看板などに書くことを認めました。

いまの日本は、必要な医療ならすぐ日本に拡がるというシステムの一国ではないのです。

久徳クリニックは開院して20年になりますが、これからもその特殊性を保った診療を続けてゆく覚悟をしております。

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