よくある質問

■気管支喘息

【Q】ステロイド吸入薬について教えてください。

ステロイド剤は発作を抑える力が強いため、昔から緊急時や重症発作に対してよく使われてきました。吸入ステロイドが開発されるまでは、内服や注射で使用する「全身性」のステロイド(プレドニンとかソルコーテフ、ケナコルトなど)が使われていました。

この全身性のステロイドは副作用が強く、最悪の場合には「全身性のステロイドで発作を抑えていたが副作用のため使えなくなり、重症の発作が起きても手の施しようがなく命を落とすか良くても廃人」ということも起きていました。

それに比べれば吸入性のステロイドは「深刻な副作用はほとんどない」と言っても過言ではなく、効果もかなり高いので、「目先の発作を押さえる薬」としては非常に優れています。かつては年間1万人もいた喘息による死亡者が現在では2千人ぐらいまで減少しているのも吸入ステロイドの功績といえます。

吸入ステロイドの初期の製品はガスボンベ式で口腔内沈着が多く肺への到達が悪い(口の中に付着してしまって肺まで入っていかない)ため、インスパイアイースとかボルマチックなどの「吸入補助具」を併用して使用されていました。

成分も気道の炎症を抑えるステロイド剤のみの「単剤」の製品が主体でしたが、現在ではガスボンベ式ではなく粉末を吸入するドライパウダー式の製品とか、気管支拡張剤であるβ刺激薬を加えた製品などが発売されています。

ステロイド単剤のものとしてはパルミコート、フルタイド、オルベスコなどがあり、β刺激剤を加えたものとして、アドエア、シムビコート、フォルティフォームなどがあります。

今は容器も改良されて使用法も簡単になり、吸入補助具を併用しなくても効果はほぼ確実になってきています。発作時や気道の不安定な時期にはβ刺激剤を含んだものを使用し、落ち着いたらステロイド単剤に変更していく方法がよく行われています。
基本的にはステロイド単剤のもののほうが軽症向きといえます。治療費用の面からの比較ではパルミコートが最も費用がかからないようです。

使用量は年齢、薬の種類、重症度によって調整が必要ですから、主治医の先生と相談して決めていきます。

ただし吸入ステロイドは「喘息を治してくれる薬」ではありません。「発作を抑えて喘息をコントロールする薬」に過ぎませんから、吸入量を調整しながら一生続けていく薬ということになります。

吸入ステロイドの不都合な点として、小児喘息では、吸入ステロイド使っても小児喘息の発症を抑えることはできない、2年間連用して経過良好であったとしてもそこで使用を中止すると悪化する、長期連用によって成人後の身長が少し低くなる、ことなどが分かってきています。

あと、小児・成人を問わず、声枯れと口の中にカビが生えるというトラブルが起こることがあります。

久徳クリニックでは吸入ステロイドについて、成人喘息では「吸入ステロイドに頼らない」治療を、小児喘息では「吸入ステロイドを使わない根治療法」を推奨しています(詳しくは専門外来のページをご覧下さい)。



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