よくある質問

■不登校

【Q】不登校の相談機関で、「無理をさせないで様子を見ましょう」 「登校刺激を与えないで」   と指導されたのですが、このまま様子を見ていてよいのかとても心配です。

不登校に対しては「登校刺激を与えない」とか「様子を見ればよい」という指導が一般的なようですが、この指導は好ましいとはいえません。

平成13年の文部科学省の「不登校に対する実態調査」によれば、中学校を不登校のままの状態で卒業した子どもが20歳になった時の進路は「正社員22.3%、専門学校8.0%、短大・大学8.5%、通信高校6.5%、フリースクール5.4%、何もしていない22.8%、残りはパートかアルバイト」というものでした。現実的には「全体の約6割がニートかフリーターで、そのうちの約3分の1がひきこもり」という状況でした。

この結果を受けて文部科学省も平成15年に「見守るだけでは解決しない」「ただ待つのではなく早期の対応を」「社会的な自立を目指す」と提言しています。
平成19年の「愛知県のひきこもり対策検討会議」の調査でも、20〜30才代のひきこもりの52.3%が中学から高校で不登校であったことが分かっています。

また、平成26年7月に文科省による13年ぶり2回目の実態調査の結果が発表されました。
それによれば平成18年に中学校を不登校状態で卒業した子どもたちの20歳の時点の進路は、「就労34.5%(正社員9.3%、パート・アルバイト32.2%、家業手伝い3.3%)、就学27.8%(短大・大学22.6%、専修・各種学校・フリースクール14.9%、定時制・通信制を含む高校9.2%)、就労と就学の重複19.6%、就労も就学もしていない18.1%」というものでした。

平成13年の調査よりも高校、特に短大・大学への進学率が改善しているため、文科省は「不登校経験に関わらず勉強が続けられる状況になっている」と評価し、マスコミも「不登校児の進学・就学状況が改善した」と肯定的に報じていました。

しかし現実には状況はほとんど変わっていないと私たちは考えています。

この10数年来不登校の子どもたちを取巻く環境は大きく変化しました。一つは少子化による私立大学の「定員割れ」です。平成20年度には私立大学の4割が定員割れに陥っています。また私立の通信制高校は平成13年の49校から平成22年には137校と激増しました。

これらの学校はAO入試などで入学のハードルを大きく下げ、「不登校ビジネス」として不登校児を受け入れ始めました。その結果、通信制高校の卒業率は全国平均で1割台という低さになり、AO入試合格者の退学率は15.5%(一般入試では5.9%)と高率になっています。

二つ目の変化は小泉構造改革による「派遣労働の拡大」です。この規制緩和により正社員率は6割台に低下ました。不登校児の正社員率も22.3%から9.3%に激減しています。

就労者(特に正社員)の減少分が通信高校や定員割れ私学などの不登校ビジネスに取り込まれることにより、表面的な進学率が改善したのが平成26年の数字であると私たちは考えています。    

アンケート回収率の低さ(回答数1604人・全対象者の3.9%)からも、今回の調査結果はよく見積もっても「全体の約5割がニートかフリーターで、5人に1人弱がひきこもっている」状況と推測されます。13年前と状況はほとんど変わっていないのです。

以上の事実から久徳クリニックでは、小中学生の不登校は「中学校卒業までには」解決するべきであると考えています。
平成15年の文部科学省の提言から考えても、不登校の対応において「本人の意思を尊重して登校刺激を与えない」「エネルギーがたまるまで様子を見る」などという対応は明らかに間違っているといえます。




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