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■喘息についての久徳クリニックの考え方

喘息ってどんな病気?

喘息(ぜんそく)とは「あえぎながら息をする」という意味です。気管支喘息と呼ばれることもあるように、肺の中の「気管支」で異常が起きる病気です。

肺(気管支)で何が起きるのか?

のどから肺までの空気の通り道が「気管」と呼ばれます。気管は二つに分かれて左右の肺の中に入っていきます。ここから先が「気管支」になります。
気管や気管支は肺の一番奥にある「肺胞」まで空気を送り込むための「空気の通り道」です。気管支は何度も枝分かれして細くなり、一番奥の部分が変化して肺胞になります。肺胞は「空気中の酸素を体内に取り込む」という重要な役割を果たしています。
木にたとえれば、水分や養分の通り道である幹や枝が「気管・気管支」に相当し、光合成を行う葉っぱが「肺胞」に相当するといえます。

息を吸い込むことによって新鮮な空気が肺胞まで運ばれます。肺胞で空気中の酸素は血液の中に取り込まれ、二酸化炭素は血液の中から肺胞の空気の中に排出されます。そして息を吐き出すことにより二酸化炭素は体外へ排出されます。このようにして快適な呼吸(息をすること)が成り立っているのです。
ですから快適な呼吸のためには、気管と気管支の「通りがよいこと」が必要不可欠になります。

喘息ではこの気管支が収縮して細くなり、痰がブワッと湧き出して、空気の通りが悪くなってしまいます。
空気の通りが悪くなると、ゼイゼイ・ヒューヒューいったり、頑固で強い咳が出たり、息がしづらくなって苦しくもなります。苦しさの程度には幅がありますが、最悪の場合には窒息して死亡することもあります。この状態を喘息の「発作」といいます。
そして気管支がこの発作を引き起こすような状態になってしまった時に「気管支喘息」と診断されることになります。

喘息の発作

発作が起きているときの気管支では次のようなことが起きています。

  1. 気管支の収縮
    気管支がけいれんを起こして細くなり、空気の通り道が細く(狭く)なります。
  2. 気管支粘膜の浮腫
    けいれんで細くなった気管支の粘膜がむくんで(浮腫)空気の通りをさらに悪くします。
  3. 気管支分泌物の増加
    気管支粘液の分泌が増加して「痰」になります。痰は収縮した気管支の空気の通りをさらに悪くします。そのため息をするたびにゼーゼー・ヒューヒューという音(喘鳴)や咳が現われます。そしてこの@〜Bの変化が一定以上に強くなると息苦しさ(呼吸困難)が現れます。

なぜ発作が起きるのか

喘息の患者さんの気管支粘膜は皮膚でいえば「薄皮がむけてピリピリしているような状態」になっています。この変化を「気道粘膜の慢性炎症」といいます。
慢性炎症を引き起こした気管支は様々な刺激に対して敏感になり、「日常的なありふれたきっかけ」に反応して発作を引き起こしてしまいます。 

春や秋などの季節の変わり目、気候の変化、温度変化、寝入りばな、明け方、雨や台風の前、生理の前、運動、大声で笑う、冷たい空気、煙や臭いなどもきっかけになりますし、不安や不満とか、小児では弟・妹の誕生、入園・入学、母親の実家に行くなどの、日常生活の中で普通に経験するような気分の変化も発作のきっかけになります。

アレルギーも「ありふれたきっかけ」の代表です。ダニ・ほこり・動物の毛・食物などが発作のきっかけになります。これらの物質は「健康な人なら何も起こらない物質」ですが、喘息の患者さんでは発作を引き起こしてしまうのです。

取るに足らないありふれたきっかけで、痙攣を起こして収縮し痰を湧き出たせるという、「とんでもなく敏感になった気管支」が喘息発作の直接の原因ということになります。

喘息の原因は?

日本アレルギー学会や日本小児アレルギー学会では「喘息は気道の慢性炎症を本態とする疾患である」と「定義」しています。そしてガイドラインを作成して治療方針などを提案していますので、現在ではこのガイドラインの定義をそのまま受け入れて、「気道の慢性炎症が喘息の原因である」とする考え方が広まってしまいました。

この考え方は医学的には決して正しくはありません。ガイドラインでも「気道の慢性炎症が喘息の原因である」と明言はされていないのです。ガイドラインは「喘息の本態は気道の慢性炎症である」と「定義」してその定義を「提案」しているに過ぎないのですが、現在では「喘息の原因=気道の慢性炎症」とする考え方が主流になってしまいました。

喘息の原因についての久徳クリニックの考え方については「喘息についての久徳クリニックの考え方」をご覧下さい。

現在の標準的な喘息治療法(ガイドラインによるもの)

ガイドラインでは気道の慢性炎症を治すのではなく、「吸入ステロイドを使ってコントロールしていくこと」が最良の治療法であるとされています。

つまり「喘息を治すことはあきらめて、コントロールしながら一生お付き合いしていきましょう」という考え方がガイドラインの治療方針なのですが、現在ではほとんどの喘息専門医がこの方針で治療を行うようになってしまいました。

久徳クリニックの「総合根本療法」

以上のような理由で、現在では喘息は「治らない病気」にされてしまっていますが、過去の文献を調べてみると自然治癒している喘息患者さんが大勢いるのも事実です。現在でも幼児の喘息は高校生ごろまでに約半数は自然治癒しているのです。

自然治癒もありうる病気が「治せない」はずがありません。「この自然治癒のメカニズムを分析して応用すれば、喘息を積極的に治していくこともできるはずだ」と考えるのが正しい医学の在り方といえます。

この考え方から開発された「喘息を治すための治療法」が、久徳クリニック前院長の久徳重盛により提唱された「気管支喘息の総合根本療法」です。
この治療法は、気管支喘息を根治させることを目標としており、少なくとも現時点では、喘息を治す治療法としては日本のみならず世界でも最も優れた方法であると私たちは考えています。

私たちは乳幼児の喘息は小学校入学までに、小学校低学年の喘息は10歳までに、小学校高学年から中学生までの喘息は遅くとも15歳までに、大人の喘息はアフターケアも含めて治療開始後3〜5年で治しきることを目標としています。そしてこの目標の達成は決して不可能ではありません。

総合根本療法の詳しい内容については「喘息についての久徳クリニックの考え方」と「喘息征服の五原則」をご覧下さい。



■喘息についての久徳クリニックの考え方 Click!!


久徳クリニックでは、喘息を治すための「総合根本療法」を行っています。日本アレルギー学会などのガイドラインとはかなり異なった治療法ですが、ここでは総合根本療法について詳しくご説明します。

久徳クリニックが考える喘息の原因

喘息の原因を久徳クリニックでは0〜3歳ごろまでの「気管支のトレーニング不足」と考えています。

妊娠中の赤ちゃんは羊水に浸かっていて一切空気には触れていません。ところが生まれたとたんに赤ちゃんは空気中での生活を強いられることになります。この変化は「クリーンルームで暮していた人がスラム街の雑踏に放り込まれた」以上の強烈な変化になります。

赤ちゃんの気管支と皮膚は、生まれたその時から乾燥に耐え、温度変化に耐え、病原菌やダニやホコリのような抗原(アレルゲン)にも耐えていけるような「たくましさ」を備えなければならなくなります。つまり気管支と皮膚は、「生まれた後に空気中で生活できるようにたくましく鍛えあげられなくてはならない臓器」ということになります。

この気管支と皮膚のたくましさを司るホルモンが副腎皮質系のステロイドと交感神経系のアドレナリンです。これら二つの「気管支と皮膚を強くするホルモン」の働きを3歳ごろまでに十分に高めておかないと、早ければ2〜3歳から6歳ごろにかけて「気管支が空気を吸い込むことに耐えられなくなり、空気を吸い込むことを拒否し始める」ようになってきます。気管支は空気が入ってこないようにと収縮して細くなり、痰を増やして空気の通り道をふさごうとし始めます。これが喘息の「発作」です。

ここでは詳しく述べませんが大人の喘息もこの時期の生活状態が影響しています。また同じような仕組で皮膚の過敏性が高まり「空気中で普通に暮しているのに皮膚が勝手に乾燥して痒くなり湿疹(炎症)が現れてくる」のがアトピー性皮膚炎ということになります。

喘息の原因は「気道の慢性炎症」や「アレルギー」ではありません。

このように考えれば喘息は、たくましさを司るホルモンであるステロイドやアドレナリンの働きが不安定になったための病気ということになります。ステロイドやアドレナリンの働きが不安定になって、気管支が鍛えられずに過敏になって「空気を吸い込むことを拒否し始める」のが喘息発作なのです。

ですから喘息を「気道の慢性炎症」や「アレルギー」が原因の病気と考えてしまうと、根治そのものが不可能になります。これらの気道炎症やアレルギーは、発作の原因ではあっても喘息そのものの原因ではないからです。

ステロイドホルモンとかアドレナリンの働きは毎日の生活のありようの影響を強く受けています。ですから喘息を治すためには「心と体とアレルギー」の全てに配慮した「総合的な生活療法」を行う必要があります。この考え方を久徳クリニックでは「総合医学説」と呼んでいます。詳しくは「喘息征服の五原則」をご覧ください。                          

ストレスと喘息

「喘息征服の五原則」の2にもあるように、ストレス(心因)も喘息に大きく関わります。
小児喘息では患者さんの80%以上に心因が関わっており、小学校入学以降に発症した例ではほぼ100%心因が関わります。成人喘息では少なく見積もっても全ての患者さんの40〜60%に心因が関わっています。

生活の変化に伴って症状が悪化する、夜間よりも日中の方が悪くなりやすい、行事の前後・週末などの特定の状況で悪くなりやすいなどの傾向があれば心因が関わっている可能性が高くなります。
心因が関わっているかいないのかの最も簡単な診断法は、「息が吸いにくいか吐きにくいか」のチェックです。喘息は「息を吐く方が苦しくなる」病気なのですが、心因が関わった場合には「息を吸う方が苦しくなる」ことが多いのです。発作の時に息を吸うほうが苦しければ、それだけで心因が関わっていると診断できます。

喘息を「治す」ための総合根本療法

喘息は「治らない病気」ではありません。過去の文献を調べてみると大人でも子供でも自然治癒している例は少なくありません。「自然治癒もありうる病気が治せないはずがない」と私たちは考えています。自然治癒した人たちについて調べてみると、ほとんどの人が「生活の変化」をきっかけにして治っています。

ですから、この「生活の変化による自然治癒の仕組」を分析して応用すれば喘息を根治させることも可能になります。この考え方に基づいて、昭和35年に当院初代院長の久徳重盛(当時は名大小児科に勤務)により開発された治療法が総合根本療法なのです。

総合根本療法は当初は小児喘息の治療法として開発され、驚異的な治療効果を発揮しました。昭和43年の京都市学校保健研究会の調査によれば、当時の7大都市(東京、横浜、名古屋、京都、大阪、神戸、北九州)の小児喘息の有病率は、名古屋以外の6都市の平均が1.38だったのに対し名古屋は0.73%という数字でした。名古屋市内の小児喘息の相当数を名大小児科が治してしまっていたのです。
総合根本療法は大人の喘息の治療にも応用でき、現時点では「喘息を根本的に治す」ための治療法としては最も優れていると私たちは考えています。

総合根本療法は、目先の発作を薬で抑える「対症療法」と、喘息の原因を取り去り喘息そのものを治すための「生活療法」から成り立っています。対症療法が治療全体の20〜30%、生活療法が70〜80%を占めます。生活療法は「喘息征服の五原則」に沿って行います。

喘息は薬では治らない。

自然治癒もありうる病気であるにもかかわらず、喘息は薬では治りません。

現在喘息治療に用いられている薬は主に吸入用のステロイドとアドレナリン系の薬です。これらの薬を「体外から補充する」ことにより、先に述べたステロイドとアドレナリンの働きの不安定さは改善されますから発作を抑えることはできます。
しかしこれらの薬には「体内のステロイドとアドレナリンの働きの不安定さそのものを改善させる」効果はありません。ですから使用を中止すれば再び発作が現れます。

喘息は「自然治癒もありうるが薬で治すことができない」病気の代表格なのです。このような病気は喘息以外にも高血圧とか糖尿病などたくさんあります。

喘息を治すためにはすでに述べたように、喘息を「気管支の病気」と考えるのではなく「心と体とアレルギー」が関わった病気と考えることが必要になります。「体を見る医学」である身体医学は心理面への対応ができませんから喘息を治すことができなかったのです。

「治らないから一生コントロールしましょう」がガイドラインの治療方針

現在のわが国の喘息治療は、日本アレルギー学会などがまとめた「ガイドライン」による治療が広く行われています。ガイドラインでは、「喘息は気道の慢性炎症が原因の疾患であり、治すことはできない」から「吸入ステロイドを使って一生コントロールしていくことを目標とする」とする治療法が推奨されています。

つまり「喘息を治すことはあきらめて、コントロールしながら一生お付き合いしていきましょう」という考え方がガイドラインの基本方針ということになります。ガイドラインも身体医学の立場から作成されていますからやむをえないともいえますが、いずれにしろこのような理由で、「喘息は治らない」と説明して吸入ステロイドによる治療を勧める「喘息専門医」が増えているのが現状なのです。

吸入ステロイド療法の限界

しかし残念なことに吸入ステロイドも喘息治療の特効薬ではありませんでした。

最近の研究では(たとえば2014年の The ACQUIRE Study)、吸入ステロイドを医師の指示通りにまじめに使い続けたとしても、コントロール良好な患者さんは成人喘息では9.1%に過ぎず、コントロール不十分73.6%、コントロール不良17.3%という状況であることがわかってきました。

小児喘息では、「喘鳴だけの時点から吸入ステロイドを2〜3年使用しても喘息の発症を予防することはできない」とか、「喘息の発症初期から吸入ステロイドを2年間投与すれば、3年目から減量しても悪化しないが、中止すれば悪化する」ことなどがわかってきました。
ですから小児喘息では、「吸入ステロイド療法は目先しのぎに過ぎず、問題を先送りにして小児喘息を成人喘息に持ち越させるリスクがある」ことが最近になりようやく一部の専門家の間で問題にされるようになってきました。

総合根本療法の治療のゴール

久徳クリニックでは次のような状態になった時に「喘息が治った」と考えます。

  1. 数年以上にわたって発作が現れず、症状が出たとしても「咳その他の軽い症状(咳喘息程度)」にとどまり、
  2. 薬を使わないか、鎮咳剤か拡張剤の頓服で治まり、
  3. 年間を通して健常人と同じ生活が可能で、
  4. 肺機能は正常か、リモデリングがあっても、気道過敏性は消失もしくは咳喘息程度までに低下している。
  5. アフターケア後の見通しが、再発する可能性が皆無であるか極めて少ないと判断される。

指示に従って生活療法を実行していただければ、約80〜90%の患者さんは、治療開始後1〜3年でBに達し、Dのアフターケアに進めます。そしてアフターケアに入った患者さんの44%までは、アセチルコリン負荷試験という検査で気道過敏性の消失が確認されています。これらの患者さんは医学的にも「完治した」といえることになります。

いつまでに治すのがよいのか

3歳未満の子どもさんの喘息はできれば3歳、遅くとも入学までには治し切ることをお勧めしています。この時期は「最も喘息が発症しやすい年齢」なのですが、「発症しやすい=変化しやすい」ともいえますから、総合根本療法で「発作が消え去る方向に患者さんの心身の状態を変化させる」ことができれば、重症喘息でも「朝日に消える朝霧のように」治すことができます(トップページ→ぜんそくジャーナル→142号Y君147号K君172号Nさんなどの手記もご覧ください)。

3〜6歳の喘息は入学までに治しきる事をお勧めします。入学までに治してしまえば、生涯にわたっての再発リスクが少なくなります。

小学校低学年の喘息は10歳から卒業までに、高学年の喘息は中学卒業までには根治させることをお勧めしています。この時期も小児喘息を比較的治しやすい時期と言えるからです。

以上のような理由から、久徳クリニックでは、小児喘息の根治の目標年齢を6歳、10歳、15歳に設定しています。そして大人の喘息では治療開始後3〜5年で治しきることを目標にしています。

治らない喘息もあるのか?

喘息が治らなくなるのは、次のような場合です。

第一に、全身性のステロイドホルモンを内服や注射で長期間使用し、体内のステロイドホルモン分泌能力が低下してしまった場合です。この状態を「副腎機能不全」といいます。
第二に、リモデリングが起きてしまった場合にも、「完全」には治せなくなります。
第三に、いろいろな事情で(たとえば「血圧が高くて冷水浴ができない」など)総合根本療法が実行できない場合にも治すことは難しくなります。

治療方針についての具体的な考え方

現在日本では、年間約2千人の患者さんが喘息で亡くなっていますから、喘息を軽く考えるのはよくありません。
それでも、すべての患者さんが重症というわけでもありませんから、実際の治療に際してはいくつかの選択肢が考えられます。
代表的なものとしてはとりあえず次の3つがあげられます。

  1. 調子時だけ治療する。
    軽症の場合に「悪い時だけ薬でおさえて」と考えるのは人情ですが、これはお勧めできません。
    軽い発作であっても、繰り返しているうちにリモデリングが進み難治化していくこともありますし、喘息では軽症の患者さんでも突然死することがあります。喘息は軽症でも死亡がありうる病気なのです。突然死を避けるためにも日ごろの定期的な治療は必要です。

  2. 生活療法は行わずに、対症療法だけで様子を見る。
    喘息を「治す」事は考えず、吸入ステロイドなどを続けて「喘息をコントロールする」、「喘息死を防ぐ」ことを目指します。が悪く苦しい
    対症療法として薬を使い続けることになりますが、喘息を治すことを考えなければこの治療法が最善といえます。ガイドラインでもこの方法が基本とされていますから、現在では多くの「喘息専門医」がこの治療法を推奨しています。
    久徳クリニックでも、総合根本療法を行わない場合にはこの治療法をお奨めしています。

  3. 3〜5年で「喘息を治しきる」ことを目指す。
    久徳クリニックのお勧めプランです。総合根本療法であれば喘息を3〜5年で治しきることも不可能ではありません。
  4. ここでは3つの選択肢をあげましたが、現実に自分自身の喘息をどのように治療していくのかという最終決定権は患者さん側にあります。ですから久徳クリニックの喘息治療は基本的な治療方針を患者さんに決めていただくところから始まるということになります。



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喘息征服の五原則

1. 喘息の総合医学的な仕組を理解する。
2. 自分自身の喘息の原因を見つけ出す(病歴調査と初診時検査)。
3. 根治のための方針を立てる。
4. 効果を確認しつつ生活療法を実行する。
5. 再発防止のアフターケアを行う。



1. 喘息の総合医学的な仕組を理解する。

久徳クリニックでは喘息やアトピー性皮膚炎などの原因は「乳幼児期の生活習慣により、ステロイドとアドレナリンの働きが不安定になるような性格と体質が作り上げられたため」と考えています。
ステロイドは副腎皮質(副腎の「皮」の部分)から分泌されるので副腎皮質ホルモンとも呼ばれます。アドレナリンは副腎髄質(副腎の「芯」の部分)や交感神経から分泌されます。どちらも人間の体内で作られるホルモンです。
この二つのホルモンは、「がんばるホルモン」とか「闘争と逃走のホルモン」ともいわれます。この二つのホルモンにはいろいろな働きがありますが、喘息・アトピー性皮膚炎・アレルギー性鼻炎・夜尿症・起立性調節障害(たちくらみ)などを抑える働きも持っています。
妊娠中の赤ちゃんは羊水に浸かっています。羊水に浸かって一切空気に触れていませんから、乾燥・温度変化・紫外線・服の刺激・汗の刺激・細菌・ウイルス・抗原(ダニやホコリ)などとは全く無縁の生活環境です。ただただ健康に成長すればよく、「がんばる」とか「闘争と逃走」などとは無縁の生活を送っています。
ところがこの赤ちゃんは、生まれた途端に大気中での生活を強いられることになります。
赤ちゃんの皮膚や気管支は、乾燥に耐え、温度変化に耐え、さまざまな刺激による炎症に耐えていかねばなりません。さらには免疫システムを充実させて、病原菌や有害な異物には素早く対応して体を守り、異物ではあっても無害な抗原(ダニ・ホコリ・花粉・食物など)には反応しない(アレルギーにならない)安定した免疫システムを作り上げなくてはならないのです。
このように、乳幼児期の皮膚や気管支に求められる適応変化の幅は激烈です。たとえていえば両生類から爬虫類にまで一気に進化するほどの変化が求められることになります。この「環境との戦い」ともいえるほどの適応変化を赤ちゃんは出産直後から開始し、1歳〜3歳〜6歳〜10歳〜15歳という節目でクリアしながら成長していきます(これを「等差数列成長説」といいます)。
この適応変化が年齢相応に適切に達成された時には、赤ちゃんはさしたるトラブルもなく健康に成長していきます。この良好な適応変化(=健康な成長)をバックアップするシステムが「ステロイドとアドレナリン」なのです。
生まれたばかりの赤ちゃんでは、このバックアップシステムはほとんど働いていません。「がんばる」必要がない状態だからです。首が座って寝返りをうつころから赤ちゃんは「がんばり」始めます。
ですから、このころから月齢・年齢相応にイキイキとして活動的な生活を心がけ、この二つのホルモンの働きを充実させてやれば、その赤ちゃんの皮膚や気管支は(もちろんそれ以外の全身も)良好な適応変化を遂げます。皮膚は強くなり気管支も強くなり免疫も安定して、風邪も引きにくくアレルギーとも無縁な子供に成長します。この生活を3歳〜6歳〜10歳と年齢に応じて適切に続けていくことにより、「喘息にもアトピーにもなれない性格と体質」が完成します。
反対に二つのホルモンのバックアップ機能が充実しない形で成長してしまうと喘息やアトピーを引き起こす性格と体質の不安定さが作られてしまうのです。
その不安定さが一定以上の強さであれば、等差数列成長説の2番目の節目である3歳を中心とした時期に小児喘息として発症します。一定以下であれば「喘息予備軍」として成長し、入園・入学・受験などや成人後の何らかの生活の変化をきっかけとして発症することもあります。この場合発症の時期は思春期以降になったとしても、その原因は乳幼児期の生活習慣の中にあるといえるのです。
この考え方を久徳クリニックでは「気管支喘息の総合医学説」と呼んでいます。「アトピー体質」や「喘息体質」は、遺伝ではなく乳幼児期の生活習慣により作られるという考え方です。
ですから、喘息は「生活習慣病」ともいえる病気です。「アレルギーが喘息やアトピーの原因である」とか「喘息やアトピーは遺伝する」という考え方は間違っているといえます。
たしかに小児喘息では3歳を過ぎるとダニアレルギーの陽性率は80%に達しますが、1歳未満では陽性率は10%以下なのです。つまり、0歳児の喘息では90%以上が、3歳児以降でも20%程度は、ダニのアレルギーがなくても喘息になっているのです。
二つのホルモンを科学的に合成したものが喘息の発作止めの薬になります。プレドニン・ソルコーテフ・フルタイド・パルミコート・キュバールなどがステロイド剤で、ホクナリン・メプチン・ベネトリン・セレベントなどがアドレナリン系の薬です。アドエアには両者が配合されています。
これらの薬は、二つのホルモンの働きを補って発作を抑える作用を持ってはいますが、「喘息を治す作用」までは持っていません。ですから、使用を中止すれば再び発作が現れます。
このような理由で身体医学では「喘息は薬では治せない→薬以外の治療法を知らない→喘息は治らない」とされてしまいました。そして2003年の厚生省のガイドラインにもこの見解が採用されてしまったのです。
総合根本療法はこの二つのホルモンの働きを良くすることにより、発作を「体そのものに抑えさせる治療法」です。この二つのホルモンの働きが良くなれば、外から薬として補わなくても患者さんの体そのものが発作を治め、さらには起こらなくしていきます。喘息を治すためには、まず、この総合医学的な喘息の仕組を理解することが必要になります。またこの仕組がわかっていれば、小児喘息やアトピー性皮膚炎を「完全に予防する」ことも可能になります。

2. 自分自身の喘息の原因を見つけ出す(病歴調査と初診時検査)。

喘息は単独の原因で引き起こされる病気ではありません。
医学の祖といわれるヒポクラテスは「喘息になったら怒りを鎮めよ」と語ったといわれています。これは喘息にストレスが関わっていることを示しています。
喘息の発作の起こり方は、調べてみると実にさまざまです。
季節の変わり目、梅雨、雨や台風の前、寝入りばな、明け方、運動、生理の前、大声で話す、はしゃぐ、慌てて気をもむ、ほっとする、などで発作が起きることもありますし、入学、進学、就職、結婚、妊娠、出産などをきっかけにして発症することも珍しくありません。
また、家のホコリ、ペット、特定の食物や薬品などで悪化したり、風邪をひいて発作が誘発されることもあります。
このように発作のきっかけはさまざまなのですが、それでもよくよく観察すると、「心理的なきっかけ」「身体的なきっかけ」「アレルギー」の三つが大きな要因として関わっており、さらにこれらの要因から「気道の過敏性」が引き起こされていることがわかります。
久徳クリニックで行った432名の小児喘息での調査では、「心理的なきっかけ」は全体の81.9%、「身体的なきっかけ」は92.4%、「アレルギー」は80.8%の患者さんに関わっていました。
そして、アレルギーだけが関わっていた患者さんは全体の0.5%に過ぎず、「心」と「体」と「アレルギー」の三つが関わっていた患者さんは全体の61.6%に達しました。
つまり小児喘息では、アレルギーの治療だけで治せる患者さんは200人に1人しかいないことになります。それ以外のほとんどの患者さんは、「心」と「体」の面へも配慮した総合的な治療が必要になるのです。大人の喘息では、小児喘息よりもアレルギーの関与が少なく、「心」と「体」の関与が多くなることがわかっています。
発作のきっかけを分析することにより、患者さんひとりひとりについての喘息の原因を見つけ出すことが、根治を目指すための最初の仕事になります。これを「病歴調査」といいます。
「初診時検査」では、アレルギー、肺機能、胸部レントゲン、心理検査などを調べます。

3. 根治のための方針を立てる。

病歴調査と初診時検査の結果に基づいて治療方針を立てていきます。治療は、目先の発作を薬で抑える「対症療法」と喘息そのものを治すことを目指した「生活療法」に分けられます。総合根本療法の2〜3割が対症療法、7〜8割が生活療法になります。
まず対症療法で目先の発作を抑えます。症状に合わせ各種の薬を使い分けます。並行して鍛錬療法、心理療法、カウンセリング、家族関係・親子関係の調整、育児指導、アレルギー対策などから、何が必要で何が必要でないかを見極め生活療法の方針を立てていきます。
ここまで治療が進みますと、「自分がなぜ喘息になったのか」とか「よかれと思ってかえって間違ったことをしていた」とか「喘息を治すために必要なことが、自分にとっては一番苦手なことだった」などという事柄がわかってきます。そして「なるほどこうすれば治せるはずだ」という「根治の方針」が見えてくるはずです。

4.効果を確認しつつ生活療法を実行する。

生活療法の方針が決まれば、あとは実行です。
治療開始後、成人では約半数の患者さんが初診後7日以内に、約3分の2の患者さんは初診後60日以内に健常人とほぼ同様の生活ができるようになります。その後1〜3年をかけて対症療法の薬をへらしていきますが、最も慎重にならねばならないのはこの時期です。発作が「薬で抑えられているだけ」であれば、安易な判断で治療を中断すれば再び悪化します。
生活療法が指導されたように実行できているか、崩れやすい季節があれば、昨年と比べて今年はどうか、運動はどの程度できるか、風邪を引いた時の崩れ方はどうか、肺機能はどうかなどをチェックしながら、薬を減らしていきます。万一悪化した場合には、その悪化したパターンを調べ原因分析と生活療法の「とりこぼし」を見つけ出します。このようにして、1〜3年で自分の喘息の原因を「洗いざらい見つけ出して解決してしまう」ことを目指します。
総合根本療法を開始して2〜3ヶ月を経過しても改善しないようであれば、どこかに見落としがあるはずですから、見直しを行います。
治療開始後もしばしば入院が必要になるような重症の患者さんや、家庭の問題が大きい小児喘息の患者さん、遠方で定期通院が困難な患者さんなどには「学習入院療法」が有効です。学習入院は短期間で総合根本療法の効果を上げることができます。小児喘息では約40日の入院で、数年間の入院を必要とする「施設入院療法」と同等の治療効果が上がります。
ぬかりなく気を配って生活療法を実行していけば、喘息の根治はそれほど難しくはありません。今まででもっとも手際のよかった患者さんは、「9年間悪戦苦闘して遺書まで書いた喘息」を6週間で治してしまいました。
平均的には初診後1年で約80%、3年で約90%までの患者さんは「薬を使わなくても発作(喘鳴や呼吸困難)は起こらない。出るとしても軽い咳ぐらい」という状態に到達できるはずです。

5. 再発防止のアフターケアを行う。

喘息は油断すると再発しやすい病気です。小児喘息が30年数後の40歳代に再発することも珍しくありません。アフターケアは、成人喘息では、自分自身の「喘息になりやすい条件」を理解し、その条件に陥らないように意識して生活をコントロールすることが治療の主体になります。
そのコントロールされた生活が、意識しなくても出来るように身についた時に、「喘息が根治した」といえます。大体1〜2年をアフターケアの期間としますが、必要であれば年に数回の診察と検査を行い数年以上続けることもあります。



【関連書籍】

「ぜんそくは自分で治せる」久徳重和著 (祥伝社黄金文庫・税込720円)
喘息を治すための総合根本療法の教科書です。「自分で治せるぜんそく根治療法」(マキノ出版刊)とあわせてお読みください。



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